会の趣旨
ビジネス界では、雇用形態・人事制度の変容が進み、情報技術の革新によって、組織のあり方が急速に変化しています。また、価値観の多様化は、帰属意識の希薄化、専門職志向等の職業観の変化となって現れつつあります。こうした産業構造や職業意識の変化は、ビジネス活動を「働く人間の側」からとらえる必要性をますます高めています。一人ひとりのビジネス実務能力を開発し、付加価値を高め得る創造的な人材を育成することが、個人はもとより企業にとっても今日的な課題となっているといえます。
本学会は1981年に「日本秘書学会」として設立され、主として秘書に関する理論的・実践的研究を進めてきました。1996年,時代の要請に対応するため、学会名称を「日本ビジネス実務学会」と変更し、秘書研究で培われた実践研究のアプローチを基盤に、ビジネス実務活動全般を研究領域とする新しい展開を進めています。
いま、ビジネス現場では、変化する今日の社会の中で、「働く個人の能力がどのように開発されるか」「新しいビジネス・ワークがどのように創出されるか」という問題がクローズアップされています。こうした状況下,ビジネス実務能力開発に焦点をあてて研究してきた本学会の成果が、ようやくビジネス現場やビジネス教育現場に受け入れられ、実証可能になってきました。ビジネス実務教育・研究への期待はさらに高まっていきますが、一方で,厳しい評価がなされるようになると予想されます。
本学会では、これからもビジネス環境に目を向けながら、ビジネス現場をしっかりとみすえ、「ビジネス実務能力の開発」をめぐって、常に新しい研究課題を探求し続けて行きます。近年,本学会は研究の主要テーマをビジネス・インターンシップやプレゼンテーション、創造的問題解決能力の開発におき、研究推進を図っています。このように、今日的研究テーマに意欲的に取組み、実社会に貢献したいと考えています。
こうした本学会の研究を積極的に推進するためには、会員の一層の研鑽はもちろんのこと、企業で日々実務を遂行しているビジネス界の方々の積極的な参加なくしては実現不可能です。企業の実務担当者、教育・研究者、行政関係者など多数の参加を得て、相互に啓発を行い、有意義な教育・研究活動を積み重ねたいと存じます。
日本ビジネス実務学会 会長 福井 有
